よくある話の力はあなどれない – 不死症

読んだ。なんともない話なのになぜか一気に読んでしまった。

ざっくりした内容は噛まれると感染するゾンビから逃げながら助かる方法を探すっていうよくあるお話。爆発のショックで記憶を失っている主人公とか、手を前に出して襲ってくるゾンビとか、噛まれたらゾンビになってしまうとか、よくある設定がこれでもかと押し込まれた本作品なわけだが、ありきたりだからこそ理解しやすく読みやすいのかもしれない。感染症でゾンビになっていくというのはよくあるけど「ゾンビから心がこもったプレゼントを貰ったら感染する」とかいう独自の設定を盛り込まれるとそれを理解することに力を使ってしまうせいで話が頭に入ってきにくい。ありきたりな設定にはありきたりな設定なりのいいところがあるんだと思う。

ありきたりな設定でありきたりな動きをしてありきたりに動いていく主人公達だけどラストに向かって少しづつありきたりからずれていきながらわかりやすい落ちへと持っていく流れは非常に素晴らしく、ここが一気に読ませてしまう力となっているのかと思う。ゾンビが出てくる話は石を投げればぶつかるほど巷に溢れている中で売れる本というだけの力はあると思う。