その設定と結末に脱帽 – 鈴木ごっこ

読んだ。木下半太ワールドが全開の面白い作品だと思う。

話の大まかな内容は1年間鈴木として過ごすことを条件に借金をチャラにするために集められた一家を描いた作品となる。僕はこの突飛な内容に惹かれて思わず買ってしまったが買ってよかったと思う。木下半太さんが書いた本だというのは読み終わってから知ったわけだが言われてみればらしい作品だと思う。木下半太という作家さんは人間関係を描くのがすごくうまい。情景を変えずに会話を主体に人間関係をうまくいじくり読者を引き込んでいく技術はピカイチだと思う。今回の作品だと鈴木家の中でほとんどの話は完結するし、最初に彼の作品と出会った「悪夢のエレベーター」もエレベーターの中でほとんどの話が完結する。全く代わり映えしない情景なのにスリリングで店舗が良い話の流れは素晴らしい。

彼の作品のもう一つの特徴はオチだと思う。起承転結がしっかりしていて、結の部分で予想だにできない内容を持ってきているくせに、それが違和感なく物語に溶け込む。全てはこのオチを書くために本を書きだしたのではないかと思いたくなるほどきっちりハマる結末は気持ちいい。本作品でもこの気持ちのいいきっちりとハマった結末が待っているので最後まできっちり読んで欲しい。