アイドルが書いたという色眼鏡を外してもおもしろい – ピンクとグレー

読んだ。簡単にあらすじを書くと「日本の大スターの幼なじみが書いた暴露本」という話となる。

この本はジャニーズのアイドルが書いたものとして有名になったようだ。なったようだ、と書いているのは僕がこの本を知ったのは「アルコアンドピースのオールナイトニッポン」で平子さんが大絶賛をしていたから読みたくなっただけでジャニーズが書いているとかは知らなかった。後からどういう人が書いたのかを知ったわけだが、スケープゴートが書いたのでなければ好みの文章で話の内容も面白く非常にうまい。また、幼少期にとても中の良かった二人が芸能界に足を踏み込んでしまったばっかりに少しづつすれ違っていくリアルな二人の関係性はこの人だからこそ書けたのではなかろうか。

「開始62分の衝撃」とよくある衝撃があるというネタバレが帯に記載されていて何らかの仕掛けがあるんだろうと思いながら読んでいたが、僕はまんまと騙された。騙されたというかそうなるのかと驚愕したといったほうが適切な気がするが、話の流れ、テンポもよくアイドルとして活動しながらこれだけの文章がかけるとは才能に溢れる人なのだろう。

ただ一つだけ非常に気になる文章がある。「白いメダカは全ての光を嫌ったから白になった。それが嫌になって全てを吸収して透明になった」というようなエピソードが登場する。全ての光を吸収すれば透明じゃなくて黒になる。透明になるには光を吸収せずに透過しなければならない。こんな単純な間違いを校正されなかったのか、それとも作者がここのニュアンスを変えたくないから突っぱねたのか。あとがきで書いてある校正というのはこの部分だったのかとか妄想が止まらない。