人間とは記憶なのかと考えさせられる作品 – 記憶屋

読んだ。

望んだ記憶を消すことが出来ると言われている記憶屋。最初は都市伝説の類と考えていたが主人公の周りで不可解に記憶をなくす人間が出てきたことで記憶屋を調査しだす。少しづつ明らかになる記憶屋の存在とそれにまつわるエピソードを記載した作品

角川ホラーで出版されているがホラーではない。「記憶屋」という都市伝説的な物の怪が登場するが恐怖を感じるということは無いと思う。記憶を消されることでこれから先楽に生きていけるとすればそれは良いことなのだろうか?本作で登場するトラウマを記憶を消すことで対処するという方法は生きやすくなるのかもしれない。しかし、「記憶という小さな粒の積み重ねがその人を形作っている」という本作に登場する言葉を考えるとトラウマすらもその人を形作る大事な一つのピースだと考えることが出来るかもしれない。

話の流れも綺麗で、ホラーというより感動作として出版したほうが売れたんじゃなかろうかと思う。ホラーを期待して読むとがっかりしてしまうかもしれないが、都市伝説の物の怪が出てくる感動ミステリーとして読むと非常に面白い作品だと思う。最近読んだ中では一番おすすめしたい作品。