あらすじからしてイカれている – 殺人出産

読んだ。村田紗耶香らしい本だと思った。

ざっくりあらすじを書くと「10人子供を産むと1人殺すことが出来る権利を得ることが出来る世界」を描いた本になる。あらすじを読んだだけでイカれていると思うかもしれないが、ちゃんと本の中身もイカれている。村田紗耶香らしく問題作と題される作品になるのだろう。村田紗耶香という作家は性と生について常々疑問を持っているのだろう。不倫がいけないといか殺人が行けないというのは現代社会の常識であり、常識が変われば全てが許されてもおかしくないのである。この現代社会という枠組みをちょっとずらして考える事ができてしまうがゆえに、普通の人が考えもしない疑問を投げかけてくる文章を量産し続けている。

村田紗耶香という人が非常に気になり、この人が書いた本を色々と読んで生きたわけだが、最終的に息つくるところは「生と性」に対する疑問以外無い気がする。あなたが思っている常識はみんなが常識だと思っているから常識なだけであって、ちょっとずらしてみると常識じゃないのかもしれないということを突きつけられるのは非常に面白いのだけれど、この人が「生と性」から抜けた本を書くことはあるのだろうか。もし書くことがあるのであれば読んでみたいが、それまではお腹いっぱいなので読まなくても良いかなと思えてきた。それで言うと「コンビニ人間」は「生と性」がテーマではないからこそ直木賞を取ることができたのかもしれない。タブー視されている部分を書いてくれる作家というのは希少価値が高いのだろうが、一般受けはしないのだろうな。