苦手だった作家が好きになった – リバース

読んだ。今までに読んだ本の中でベスト5に入るぐらい衝撃を受けた。

ざっくりあらすじを書くと、学生時代に犯した過ちを告発された主人公が真相を探す物語になると思う。うだつのあがらない主人公が真相を探してもがいている様は明日に向かって進もうとしている人間の様に見えて非常に共感できる。最後に伏線を回収していくのは気持ちいいしなによりオチがすごい。そんなばかなっと読む手が思わず震えた。読了後の気持ち悪さはひどいわけだがそれを差し引いても呼んで面白かったと思える。リバースというタイトルの意味が最初はわからなかったが、妻と話をしていて「主人公は最初に戻ったんだよ」と言われて腑に落ちた。なるほど。彼はずっともがき続けるしかないのだろう。

この話には救いなんて無い。もがき続けた結果わかったことはじっと耐えるしか無いということなのだろう。すべての事柄が空想で終わっているはずなのにここまで気持ちよく、気持ち悪く終りを迎える本を僕は知らない。ぜひとも読んでもらいたい一冊だと思う。

何故か釈然としなかった – ピエロがお前を嘲笑う

見た。絶対騙されるっていうのはそういうことじゃねーよって思った。

ざっくりあらすじを書くと、ハッカーに憧れる少年がハッカーになる話なんだけど職業柄細かいところがきになってあまり話が頭に入ってこなかった。闇インターネットっていうパワーワードが頭から離れないのは僕だけじゃないはず。ハッカーとしての類まれなる才能が開花して様とか、人間を見せるのは非常にうまいと思ったけど、あなたは絶対騙されるっていう言葉のせいでがっかりしてしまった。最後に落ちがあるんだろうと思ってみるのと、そうではなく見るのでは全然違うと思うんだけれど、絶対騙されるってこの騙し方はねーよって思ってしまう。なんていうか、最終的に全部夢でした!みたいなオチは卑怯だと思うんだけどそれと似たような物を感じる。上手くピースがハマっているかのようで僕は何故か釈然としなかった。

こうやって文章を書きながら思い返していみると僕には余り合わなかったと言うだけで面白いと思う人はいるのかもしれない。見たい人は見ればいいと思うけど、僕はあまりおすすめはしない。

あらすじからしてイカれている – 殺人出産

読んだ。村田紗耶香らしい本だと思った。

ざっくりあらすじを書くと「10人子供を産むと1人殺すことが出来る権利を得ることが出来る世界」を描いた本になる。あらすじを読んだだけでイカれていると思うかもしれないが、ちゃんと本の中身もイカれている。村田紗耶香らしく問題作と題される作品になるのだろう。村田紗耶香という作家は性と生について常々疑問を持っているのだろう。不倫がいけないといか殺人が行けないというのは現代社会の常識であり、常識が変われば全てが許されてもおかしくないのである。この現代社会という枠組みをちょっとずらして考える事ができてしまうがゆえに、普通の人が考えもしない疑問を投げかけてくる文章を量産し続けている。

村田紗耶香という人が非常に気になり、この人が書いた本を色々と読んで生きたわけだが、最終的に息つくるところは「生と性」に対する疑問以外無い気がする。あなたが思っている常識はみんなが常識だと思っているから常識なだけであって、ちょっとずらしてみると常識じゃないのかもしれないということを突きつけられるのは非常に面白いのだけれど、この人が「生と性」から抜けた本を書くことはあるのだろうか。もし書くことがあるのであれば読んでみたいが、それまではお腹いっぱいなので読まなくても良いかなと思えてきた。それで言うと「コンビニ人間」は「生と性」がテーマではないからこそ直木賞を取ることができたのかもしれない。タブー視されている部分を書いてくれる作家というのは希少価値が高いのだろうが、一般受けはしないのだろうな。