よくある話の力はあなどれない – 不死症

読んだ。なんともない話なのになぜか一気に読んでしまった。

ざっくりした内容は噛まれると感染するゾンビから逃げながら助かる方法を探すっていうよくあるお話。爆発のショックで記憶を失っている主人公とか、手を前に出して襲ってくるゾンビとか、噛まれたらゾンビになってしまうとか、よくある設定がこれでもかと押し込まれた本作品なわけだが、ありきたりだからこそ理解しやすく読みやすいのかもしれない。感染症でゾンビになっていくというのはよくあるけど「ゾンビから心がこもったプレゼントを貰ったら感染する」とかいう独自の設定を盛り込まれるとそれを理解することに力を使ってしまうせいで話が頭に入ってきにくい。ありきたりな設定にはありきたりな設定なりのいいところがあるんだと思う。

ありきたりな設定でありきたりな動きをしてありきたりに動いていく主人公達だけどラストに向かって少しづつありきたりからずれていきながらわかりやすい落ちへと持っていく流れは非常に素晴らしく、ここが一気に読ませてしまう力となっているのかと思う。ゾンビが出てくる話は石を投げればぶつかるほど巷に溢れている中で売れる本というだけの力はあると思う。

TextViewのMarqueeが動かない問題に終止符を

TextViewのMarqueeが動かない問題でいつも悩んでいるので色々なところを参考にして以下のクラスを作った。これならどの場面でも動くことは動く。

以下が参考になる。

http://stackoverflow.com/questions/1827751/is-there-a-way-to-make-ellipsize-marquee-always-scroll

http://saways.blogspot.jp/2011/10/textview-marquee.html

どちらも最終的な結論は「isFocuse()でtrueを返せ!」なんだけど、isFocuse()でtrueを返すとフォーカスがTextViewにあることになるのでキーボードが開けないという困ったことが起こる。なので、StackTraceからMarqueeに必要な関数から呼ばれているかを判定してtrueを返答するようにしてるんだろうけどこれだと関数名が変わったり、別の箇所から呼ばれたりとRefactorされただけで動かなくなってしまいそうで怖い。

実際にTextViewの中身を見ると && (isFocuse() || isSelected()) で判定をしているので、どちらかを返答すればよいのだからisSelected()でtrueを返答してあげたほうが実害が少ないのでこっちを採用することで僕の環境だと上手く動いた。XMLで色々やったりしてもどうしても動かない箇所が出てくるのでこれで動かすのが今のところのベスト。もし違う実装が見つかったらまた書くかも。

小気味良いミステリが詰まった短編集 – そして名探偵は生まれた

読んだ。小気味の良い短編集で通勤のお供にはぴったりな一冊だった。

この本は4つの短編集で、どの短編も読み応えがあり非常に面白い。なんとなくこういうことなのかなという読者の予想をきっちりと裏切り予想外の結末へと持っていく手腕は素晴らしいと思う。

タイトルにもなっている「そして名探偵は生まれた」という話も短編の中の一つとなる。ざっというと小説に出てくるような名探偵と推理小説オタクの助手が旅行先で巻き込まれる殺人事件の話となり、これだけきくとよくある単純な話に聞こえる。コナンくんや金田一くんと旅先であったら遺書を書いておいたほうがいいと言われるほど名探偵+旅行=殺人事件という数式は成り立ちやすい。しかしこの作品がちょっと違うのはこの名探偵は非常にやる気がない。殺人事件が起きたと助手が言っても一向に解決しようと動かずに寝たままなのである。その理由は今まで自分が解決した難事件を本にしようとしたせいで事件の当事者から訴えられたせいで、事件を解決しても何もいいことがないと悟っているからだ。このなんとも微妙な名探偵と殺人事件を絡ませて読者の予想を裏切る結末を作り上げる手腕は素晴らしいと思う。

この作品だけでもこの本を買う価値があるとは思うが、他の作品も負けず劣らず素晴らしい。僕としては「宗教家が爆破テロを起こして島に逃げる」という話が好みだった。極限状態の人間模様のドロドロな中にも虎視眈々と色々考えている人間がいるというのがなんとも人間臭くて良いと思う。

高校生探偵物の正統派作品 – 体育館の殺人

「今読むならこの本」という帯に惹きつけられて読んだ。今読むならこの本じゃなくてもいいと思った。

あらすじをざっというと体育館で殺人事件が起きて高校生探偵が解決するというよくある話。高校生探偵は変わり者でとっつきにくいけど異常に頭が良い。1聞いただけで10を知って事件を解決していく様は金田一少年の事件簿を彷彿とさせる。なぜかよくわからない高校生に事件内容を教えていく刑事や、なぜか密室として認識される体育館など、高校生探偵物におけるツッコミどころを全て詰め込んでいて、良く言えばわかりやすく読みやすい、悪く言えば既視感のある作品だと思う。

僕も高校生の頃は金田一少年の事件簿のノベル版をワクワクして読んで、解決編の前に読むのをやめて自分でトリックを考えてから解決編を読んで、トリックの当たった外れたを楽しみながら読んでいた記憶があるが、トリックを考えるのもめんどくさくすぐに解決編を読んでしまったのは僕が年老いたからなのだろう。新しい気持ちで読むことが出来る人であればトリックのワクワクや、読み終わった後にそうだったのかと思わせるテクニックは金田一少年の事件簿よりも上だと個人的には思う。しかし、僕には「今」ではなく「昔」に読みたかったと思えたのが残念だ。