ねっとりとしたまとわりつく恐怖がそこにある – 残穢

最近映画化されてCMがバンバン打たれているので気になって読んだ。怖い、確かに怖い。ねっとりとまとわりつく怖さがこの作品にはあると思う。

本作品はホラー作家の元に読者の体験談として「畳をする音が聞こえる」というよくある体験談が届いたところから始まる。畳をする音というよくある話の元をたどっていきながらその土地にまつわる事故や不吉なことを調べていきながら原因を調べていくというのが大体のあらすじとなる。

ホラーといえば、リングにおける貞子だったり、13日の金曜日におけるジェイソンだったり、エルム街の悪夢におけるフレディのように恐ろしい「なにか」を描いている作品が多数であろう。見えない何かを追われながらもなんとか探していくわけだが、調査対象である「なにか」というのは明確に存在している作品が多いと思う。しかし、この作品にはその明確な「なにか」というものは存在しない。首をつった女性だったり恨みをつらみの言葉を発する黒い影だったり周りを這いまわる赤子だったり抽象的なものは存在するけれど、これという明確な「なにか」が描かれていないのだ。

眼に見えないから恐ろしいし感じれないから恐ろしいというのがホラーの根本だと思う。その「なにか」をわざとわかりやすく表現せずにぼやけて書いているこの作品はわかりにくいねっとりとした怖さがそこにある。本当に恐ろしい話というのは、こうしてこの文章を紹介している僕にもなにか祟りがあるのかもしれないし、読んだだけでなにか起こるかもしれない。怖い話を読むのが好きだという人にはおすすめしたいが、読んだことで自分の周りに何か起こったとしても自己責任でお願いしたい。

映画も気になるのでみてみようかな。