どこに面白みを感じればいいのかわからない – 人狼ゲーム クレイジーフォックス

見た。面白くないだろうなと思ってみて、本当に面白くなかった。

映画のあらすじは「現実世界で人狼ゲームをやる」っていうだけで非常にわかりやすい。どうもシリーズ物らしくて、これは三作目。村人の話、人狼の話、狐の話という感じで1作品毎に役割が変わっていてその役割の動きを描いているらしい。「目が覚めると知らない場所」「なぜか首輪されている」「外にはでれない」というよくある設定のオンパレードがB級映画好きとしては心躍ったわけだけど、人狼ゲームのくせに心理戦が全くない。人狼側と狐側の話しかなくて、霊媒師とか預言者とかの動きは皆無と言っていい。まじで空気。なんもない。一作目、二作目と続きとして見ていけば同じような流れだったから割愛されているという可能性はあるかもしれないけど、それにしても空気すぎる。2つの視点で殺し合ってるだけだし、オチもなんだよそれって言いたくなる感じだし首輪しまって死んでいく拙い演技を見るのが好きな人ぐらいしかターゲットになりえないんじゃなかろうか。

もしこの映画を見てみたいという物好きがいたら人狼というゲームを知らずにこの映画を見ると全くわからないまま終わりそうな気がする。まぁ、役割を知っていても面白くないという結果は変わらないと思うけど知らないよりもマシだとは思う。

名探偵赤ちゃんの誕生 – こんにちは刑事ちゃん

読んだ。期待値が高すぎたので、それを超えるほどではなかった。

この本のあらすじをざっくり書くと「殉職した刑事が部下の子供に生まれ変わって事件を解決する」という話になる。生まれ変わりの話で起こりうるであろう事件を全部突っ込んで話を作っているようでなかなか面白い。短編集なので読みやすく、きちんとすべての話に落ちがついているのが好印象。よくある話とよくある設定を詰め込んでいる割に、全部の話で面白いオチを付けているのは流石だなと感じた。しかし、前作の「神様の裏の顔」が面白すぎて、それを超える、もしくはそれとはるであろう面白さを求めて読んでしまったせいで少し物足りなさを感じてしまった。物足りなさを感じた上でも面白さを感じることができたので、何も知らずに読めば面白いのではなかろうかとは思う。

「だから?」という疑問が浮かぶ – オン・ザ・ハイウェイ その夜、86分

見た。なんかやおい文章を読んだ気分になった。

どういう話かというと高速道路を走っている男をただただ移しているだけという挑戦的な話だと思う。高速道路を走りながら様々な人と電話で話ながら、なぜ男は高速道路を走っているのかが最大の肝だと思うわけだけど、開始してすぐにわかる。色々なトラブルがおこって振り回されるのかと思ったけど案外普通のトラブルと案外普通の解決方法だから別に見せ場にもならない。せめてゆったりとした居心地が良い時間が流れてくれれば山がなくてオチがなくてもいい気分に慣れるわけだけどそんなわけでもない。ただただ、微妙な人間関係と微妙な問題を微妙な男が解決しようと頑張る姿を86分見せられるだけで終わったときの感想は「だから?」だった。

全編を通して高速道路を運転している男だけを移しているというのは挑戦的だし、映像で出てくるのも運転しているお事だけというのは攻めてるし興味を惹かれる。しかし、最大の見せ場はその設定だけだとしか思えず、見たければ見ればいいと思うけどあまりおすすめはしない。

繰り返される8分間 – ミッション:8ミニッツ

見た。期待値が高すぎたせいか、期待はずれだった。

ざっくりあらすじを書くと「爆弾が仕掛けられた列車が爆発する8分前を繰り返し体験して爆弾犯をさがす」という話になる。今流行のループものだけれど、違うのはコンピュータで擬似的に作り上げられた世界で別の人に入り込んで何度も8分間を行動するということだろう。僕はループものが好きで、「メメント」とか「バタフライエフェクト」とか「シュタインズ・ゲート」とか見てるわけだけど、その中で本作は面白くない部類に入ってしまった。ループもので面白いのは繰り返すことで少しづつわかっていく真相と、最後に回収される伏線だと思うんだけれど、今作ではその部分をあまり押していないように感じた。そこよりも人間関係とか未来に対する希望とかそういった点を訴えているように感じる。だからと言ってはなんだが、ループものにしては珍しくきれいなハッピーエンドだと思うし、未来に対する余韻が終わった後にも流れているのも特徴的だと思う。

綺麗に騙されたいのであれば本作はあまりおすすめしないが、色々な評判をみていると本作が面白いと感じる人は多いのだろう。もし見ていないのであれば見てみるのもいいと思うが、僕は「オール・ユー・ニード・イズ・キル」の方をおすすめする

文章のテンポって大事だと思う – 彼女は存在しない

読んだ。ただひたすら長かった。

ざっくりあらすじを書くと、「2重人格の少女とカップルが出会って色々起こる話」になるんだけど、これが非常に長い。長い。それ以外感想が出ないぐらい長い。タイトルからなんとなくこんな話なんだろうなと想像して、2重人格と出てきて非常に納得して物語が加速するのかと見せかけずっとアイドリングで進んでいるような印象を受ける。そのくせ唐突に人が死んだりするので「そこはもうちょっとスピード落とせよ!」と言いたくなる。オチがどうなるのか気になって最後まで読み進めたわけだけど、読み終わった感想も「非常に長い」と言うものだった。僕の好みとはだいぶ違ったので同じ感性の人にはあまりおすすめできないかなと思う。

周りを説得するより行動したほうが何かと捗る

何か素晴らしいアイデアをひらめいて、これは素晴らしいと他の人に布教してもやってくれなかったとしよう。このアイデアがいかに素晴らしいかが理解できていないのかと一生懸命説明したとして、それでも他の人はやってくれない。こんなに素晴らしいアイデアをやってくれないなんておかしい。どう説明すればいいんだろうとあなたは頭を悩ませるかも知れないし、なぜ理解してくれないんだと腹をたてるかもしれない。そういった時に一つだけ特効薬があるとしたらやってみることだと思う。考えるより行動したほうが早い。

例えば出社してすぐにラジオ体操をすると作業効率があがるという話があったとする。朝に運動をすることで頭が活性化して作業効率が10%上がると仮定する。それを知ったあなたは始業前にみんなでラジオ体操をすることを提案して、ラジオ体操にはこれだけよい効果があると一生懸命説明する。しかし、みんなの反応は芳しくない。この時に一番いいのはあなたが一人でラジオ体操をすることだ。ラジオ体操が素晴らしいのであれば自分ひとりでもやればいいし、それを見たりそれをやっているあなたのパフォーマンスが上がれば自ずとみんなラジオ体操をするようになるだろう。もしみんながやらないのであれば、自分にとっては素晴らしいのかもしれないがみんなにとっては素晴らしくないのだろう。あなたがラジオ体操をすることでパフォーマンスが上がったかもしれないが、みんなはラジオ体操をやったことによってパフォーマンスが下がると判断したのかもしれない。自分にとって素晴らしいからと言って他の人にそれを強要するというのは、他の人があなたがやっていることをやめさせるのと同じことだということを理解すべきだ。

自分が素晴らしいアイデアをひらめいた時はとりあえずやってみるのがいいと思う。もしそのアイデアが良ければ他の人に広がるし、広がらなかったとしても自分がそれをすることで何らかのパフォーマンスがあるのならやらないよりやったほうが良い。なにがしかの資金が必要なわけでもなく、行動するだけで出来るアイデアであればガンガンやればいいと思う。もしそこで業務中に無駄なことをするなと文句を言ってくるのであれば、その時に何故やっているのかを説明すれば良い。その説明で相手が納得せずに無理やりそれをやめさせようとするのであればそれは環境が悪いので環境を変えるたほうが早い。

ただしこれは他の人に迷惑をかけないというのが大前提としてある。ラジオ体操を大音量で流されたら他の人の作業に支障が出るだろう。その時はあなたは別の場所でそのアイデアを実行するべきだ。そこを曲げずにラジオ体操の音を理解できないあいつが悪いと開き直るのは筋違いだ。あなたにとっての素晴らしいアイデアというのは他の人は既に試した結果やっていないのかもしれないし、やる権利があるようにやらない権利もあることを理解したほうが良いのだろう。

ラピュタの世界を大鷲と駆け回る – 人喰いの大鷲トリコ

クリアした。綺麗な映像に度肝を抜かれた。

本作はICOやワンダと巨像を作ったのと同じ人が作ったとかで非常に話題になっていたのだけれど、僕はその2作をやっていない。よくできたゲームだという噂は聞いていたわけだけれど、そのころは全然ゲームをしていなかったのでやっていない。なので、本作が初めて触れた作品になるわけだけど、確かに話題になるだろうと思えるだけの作り込みだったと思う。

ざっくりあらすじを書くと目が覚めると大鷲さんと一緒にどこかに閉じ込められていた少年が大鷲と一緒に閉じ込められていた場所から脱出するという流れになる。非常に単純明快だし、動かし方とかのチュートリアルはその都度出てくるのでだれでも楽しく遊べるゲームなんじゃななかろうかと思う。閉じ込められた場所はなんとなく天空の城ラピュタを思い出させる空間で、ラピュタの空間を楽しく動けるだけでこのゲームをやるだけの意味もあると思う。

ただ、画像が綺麗すぎて高いところがめちゃくちゃ怖い。僕は高所恐怖症では無いと思うんだけど、それでも怖い。高いところから落ちて即ゲームオーバということはないので問題ないわけだけど、落ちた瞬間に玉が縮み上がる感覚があるぐらいリアルで怖い。この恐怖が克服できない人はやらないほうがいいと思う。

後、このゲームで何回か詰まったわけだけど、その殆どが大鷲のトリコさんがうまいこと動いてくれないことにある。お前ここ飛べるだろ!っていうところでも飛んでくれなくてぐるぐると行けるところを探した後にやっぱりここだろってところでトリコさんに指示を出して待っている最初に飛んでくれなかったところを飛んでくれるとか多々ある。このゲームの一番の難しさはトリコとこころを通わすところだし、一番歯がゆいのもトリコが思い通りに動かないところだと思う。ゲーム好きの人が先に進めずに詰まったなら大抵あなたの感が当たっていると思うので根気よくトリコに指示を出したほうがいい。まぁ、実際の別の生き物と移動するとこのゲーム以上に指示通りに動かすことは難しいんだろうからリアルと言えばリアルなわけだが。

https://www.youtube.com/watch?v=x4E2BLci3vw&list=PLtWZQH-E_-OZ4C4UrndGuzkKTzCAHmYR5

題名が絶妙に効いている – 神様の裏の顔

読んだ。帯に好きな作家がおすすめしてると書かれていたので読んだが、おすすめしたくなる気持ちがわかった。

この本のあらすじをざっくり書くと、素晴らしい先生の葬式に出席した人が先生の思い出を一人称で語っていく話となる。あの先生にこんなことをしてもらったから俺(私)は助かったという回想が多く、「神様の裏の顔」という題名と神様のように素晴らしい故人との回想というバレバレすぎる伏線からの立て続けに暴かれる裏の顔が非常にテンポが良い。大体こんな感じのオチなのだろうと想像しながら呼んでいたわけだが、だいたい想像通りのオチであるにもかかわらず非常に面白く読めるのは素晴らしいの一言に尽きる。みんなで「神様の裏の顔」について話し合っているシーンの人間模様の移り変わりは圧巻だと思う。

まだ1月なのでこれから色々な本をよむことになりそうだけど、今年はこれ以上に面白いと思える本には出会わないのかもしれない。そう思えるほどに面白く好みな本だった。あとがきを読むと元々この人はお笑い芸人らしい。ピースの又吉とか劇団ひとりとか芸人さんは本を書くのが上手い印象が強い。コントのネタは小説を書いているようなものだろうから、情景描写の技術さえあればコント芸人というのは作家に転校できるのかもしれない。

普通は脆い – コンビニ人間

読んだ。相変わらずな感じで面白かった。

この本のあらすじをざっくり書くと普通じゃない人がコンビニでバイトすることで普通を演じる話だと思う。村田紗耶香という作家はいつでも普通というのを疑って生きているのだろう。みんなが普通にやってることが彼女にとっては普通ではないのだろう。彼女が提示してくれるあなたの普通は普通じゃないのかもしれないという問題提起は非常に面白い。現に一昔前の学校を卒業して就職して結婚して子供を産んで家を建てて、みたいな普通の生活は今では既に普通ではない。現代にはびこっている普通は50年ぐらいで出来上がった物がほとんどであるという。テレビは普通だろうけど50年前は存在していなかった。携帯電はも普通だけど50年前には存在していない。スマホなんて10年前ですら存在していないが今では普通だ。それぐらい普通というのは揺らぎやすく脆いもののはずなのに、みんな普通にすがって生きているというのは滑稽なのだろう。

昔は集団で生きていく必要があったから普通である必要が非常に強かった。しかし、最近は普通である必要性はどんどん低くなっていく。だからこそみんなが普通というものに疑問を持ち出し、自分が考える普通は正しいかを知りたがり、その結果このような本が売れているのだろう。普通なんてたんなる基準にすぎない。平均値というだけだ。そのことをちゃんと認識しながらいきていったほうがよいのだろう。

さっくり読めるミステリー短編集 – 二歩前を歩く

読んだ。文字がでかくさっくり読み終わってしまった。

この本は何らかの超常現象に悩まされている人がその原因を解明していく流れの話が複数入った短編集になる。石持浅海さんらしくすべての話に華麗なオチがついているのがすばらしい。本筋はすべて超常現象なので一般的に幽霊と呼ばれるものがすべての話に出てくるのだけど怖さというものはない。超常現象というものは現代科学で解明されていないというだけで、事象として考えれば単なる出来事として捉えることが出来るので怖いと感じなくなるのだろう。理系の冷めた分析が終始出てくるので幽霊物が苦手でもすんなり読めるんじゃなかろうか。

軽く読める短編集を探しているなら読んでみて損はないと思う。